- クラシック音楽ファンの方に質問です。同じ曲の場合、ドイツ・グラモフォンベルリン・フィルハーモニー管弦楽団輸入品(ヨーロッパ)ユニバーサルミュージッククラシック東芝EMI後、カラヤンなど、更に高音質、ジャケットの写真・絵や名盤と言う言葉、Amazonのレビューなど、以下の順に選ぶのですが、クラシック音楽愛好家の方はどの様な基準で選ばれるのでしょうか?また名盤を集めた記念BOXが販売されたりしますが、手軽に代表曲が購入でき、尚且つCD一枚あたりの価格がとても安く思います。通販は別にして、一般に大手レーベルが販売するBOX商品、輸入品も含めて、音質や商品の品質などは、どうなのでしょうか?お詳しい方教えて下さい。
>クラシック音楽愛好家の方はどの様な基準で選ばれるのでしょうか?人によって価値観が異なると思いますが、たとえば、、・自分が聴きたい演奏家の演奏(探しているものなども含む)・自分が聴きたい演奏家の、新譜、まだ聴いたことがない過去録音など。・聴きたいと思った曲(知っている曲、知らない曲を問わず)・食わず嫌いだったと思うようになった演奏、曲など・コンプリート狙い・ジャケ買い・プレス国によるヴァージョン違いの比較まだまだあると思います。>一般に大手レーベルが販売するBOX商品、輸入品も含めて、音質や商品の品質などは、どうなのでしょうか?一概には語れませんし、特定も難しいと思います。ですが選択肢が無い場合などは有無を云わさずソレしかないという状況もありますが。。プレス技術そのものは、CD黎明期より日本が世界をリードする場面も多々ありました。ポリグラム(現ユニヴァーサル・グループの一翼)が西ドイツのハノーファーに超大規模CDプレス工場を建設し、順次拡大してからは、ヨーロッパのかなりのプレスをここで請け負うようになりましたが、オランダなどでもプレスは盛んに行われています。ヨーロッパなどのCDプレス工場がまだ間に合わなかった頃、特にEMI系は東芝EMIが自社及びサンヨーのプレス工場でプレスを行い、それらがヨーロッパで「初版」として販売されていた経緯があります。プレスは日本、インレイカードなどの印刷物はヨーロッパ仕様というカタチでしたが、この時に悲劇も起きています。特にアナログ時代の録音のCD化です。日本が持っていた当時のマスターは、既存のLP用アナログデータをただ単にデジタル化したものが使われ、本家のマスターのコピーのコピーのコピーくらいの鮮度が低いアナログ・マスターが使われたからです。しかも契約の関係上、EMI系は日本の場合東芝エンジェルと米エンジェルの関係により、米エンジェル経由のマスターとなるので、英国オリジナルとはかけ離れた質の悪いものも多く出回りました。現在、EMIクラシカルとなってからは英国本国よりデジタル・マスターが支給されるようになったおかげで、アナログ時代の録音は良くなりました。LP時代ではオーディオ・ファイル盤として知られた、例えばプレヴィン/LSO(特にC.ビショップ,C.パーカーのコンビによる録音)が、聴くに堪えない音でCD化された時には呪いたい気持ちでしたよ。その後、英国、アメリカ、ドイツ、フランスなどが本格的なデジタル・リマスターを造り、現在に引き継がれているものも多数あります。アナログ時代の録音に関しては、マスターの物理的劣化が避けられないため、初版LPとCDを比較した場合、LPに軍配が上がることが多くあります。ただし海外のオリジナル初版を知らない人達にとっては比較する術が無いため、こういったことに気が付かず買わされていた現実もあります。有名なフルトヴェングラーの51年バイロイト音楽祭の「第九」などもその例に漏れず、1950年代にプレスされた英国ALP、フランスFALPとは比較にならないほど悲しい音のCDが出回りました。それゆえ、現在でも初版LPからの板起こし盤CDが次々に企画される理由があります。アナログ・マスターの劣化に比べLPの塩化ビニールの劣化の方が半世紀経った現在でも健在という現実もあり、ものによってはレコード会社が保有するオリジナルマスターよりもLPの方が音が良い状態と判断する傾向の人達がこういった板起こし盤CDを企画する意味がそこにみられます。反面、80年代でもオリジナルの状態が良いマスターを保有していたドイツプレスのエレクトローラ、テルデックなどは現在でも一部のファンやマニア達から高い評価を受けています。CDの音が悪いとよく聞きますが、実際は使用されたマスターに問題があったわけです。そこで現状ですが、各社なるべく状態の良いリマスタリング作業を行い、中にはとても良いものもあれば、特に・・というものもあり千差万別です。アナログマスターの劣化のせいで、すでに音割れなどが起こっているものも散見されますが、これらの修復はおそらく不可能と云われています。レコード会社は基本的にプレスされたLPからのリマスタリング作業は行わない方針がほとんどなので、板起こしCDのような試みはまだ行われていないようです。そして劣化してしまった音をなんとかしようとする試みが行われ、ノイズゲートやイコライザーなどを波形編集処理したCDが一時期出回りましたが、これらは完全に失敗作と云われても仕方がないものもあり、レコード会社に対する不信感が一部の人達にはありました。ノイズを減少させるのと同時に、音楽にとって貴重な倍音成分や残響音などの微細な音までもカットされてしまったからです。その後、パソコンレヴェルでの高精度な波形編集作業が安価にできるようになってから、比較的音の状態が良いCDが出てきました。90年代後半から2000年代にかなり多くのデジタル・リマスタリングが行われたことが、CDにデータ記載されているものだけでも相当数確認できます。ここまで書いたことはデジタル録音のマスターのことではありません、あくまでもアナログ時代の録音のCD化に関してです。大規模な全集もの、セットものなどは、データチェックをするとすでに単品発売されているCDと全く同じマスターを使用している場合がほとんどです。場合によってはドイツと日本のプレスの違いがあるのにも関わらず、データ上は全く同一と認識するようなCDも多数あります。CDをパソコンのiTunesで読み込むとDBにアクセスして曲名やアーティスト名を拾ってきますが、例えばベートーヴェン交響曲第5番の単品CDなのにも関わらず、複数のDBが反応し「ベートーヴェン交響曲全集Disk-2」などと表記される場合があるのは、マスターが同一だからだと云われています。BOXなどのセットものに関わらず、マスターや録音の仕上がりが良ければそれなりにCDにも反映される時代です。LP時代のように国によるマスターの優劣が現在はほとんどないからです。とはいえどのマスターを使うかにより音の違いはあります。CD品質に関して云えばできれば日本で(特にNECの技術が一頭地を抜いています)とは思います。物理的な性能がケタ違いに良く、かつ品質が良すぎるほどだからです。しかし前述したようにいくらプレス技術が良くてもマスターがダメならばそのままCDになってしまいます。大規模なBOXものになると録音の善し悪しもさまざま、マスタリングの巧みさもさまざま、結局は商品がどうなっているかは買って聴いてみるまで分からないというのも本音です。すでに音質の確認ができているものならばともかく、初CD化のような音源だと比較するものが無い場合があるので評価のしようがありません。輸入盤に関しては安価なので安物扱いされかねない場合がありますが、これは現在の日本円のレートが高いからです。1960?70年代は輸入盤は一部のマニアしか買わないような高級品で、国内盤LPが¥2,000なのに英国その他の初版が輸入されると1枚¥5,000前後というのはザラでした。今は無き物品税(20%)のせいもありました。ユニヴァーサル系に統一されてきてからは、輸入盤と国内盤の音質に差が無くなったという意見もありますが、逆に特にヨーロッパ系プレスの音の良さを高く評価する傾向があるのも確かです。CD黎明期の日本盤CDに関しては、場合によっては要注意、現在ではかなり改善されていると言っても差し支えないレヴェルだとは思います。私のようにCD黎明期のトラウマがある人の中には、DGはドイツ盤(無い場合はEU表示)オンリーしか買わないというような人がいるのもまた事実です。英EMIに関してはかなりのプレスをオランダで行うようになりましたが、クオリティ的には悪くないと思います。それでしか入手できないディスクもあります。DECCA、テルデックなどはドイツの元ポリグラム工場で優秀なCDを作り続けています。DECCAの場合、アメリカ・プレスや日本プレスは契約の関係上LONDONレーベルとなります。RCA(BMG系列)に関しては、ドイツプレス、アメリカプレスの2つが主なプレス国で、それ以外に日本もプレスを行っています。そもそも自国でプレスをする国は少なく、多くの国が他国でプレスされたものを購入していますが、日本だけは昔からの慣習とでもいいますか、自国プレスにかなりこだわっている面があります。それゆえ、CD黎明期では各国から頼られたわけですが。。現在ではレートの関係上、単価の高い日本に海外から大量にプレスの依頼が入るということはほとんど無いと思われます。品質はほぼ同等、音質も同等として、日本はCDなどのメディア価格設定がそもそも世界一といってもよいほど高く、それを崩さないために再販制度がいまだに存在しています。こんな国は他には見あたりません。アメリカ人は数百円単位でCDが買えるのに、日本では¥3,000とか、人口とプレス枚数によるペイラインの差があるのは理解できますが、こういった保護商法的な部分があるため、日本盤の方が高級、音が良いのでは?と思ってしまうむきもあるかと思います。結局は販売されている商品の中から選ばなければならないため、私達には多くの選択肢はありません。それを踏まえて、ある程度の不安と期待が入り交じった気持ちで、、ということになるのではないでしょうか。。
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